取材・文=横川良明
写真=Tatsuya Yokota
ヘアメイク=Hinata Sakuragi、TSUKI
2023年5月26日発売「my HERO vol.04」より一部引用
【 ヤングスキニー 】my HERO vol.04 ~ 音楽の可能性 ~
──ヤングスキニーが生まれたのは、かやゆーさんがSNS上でメンバー募集を行ったことがきっかけでした。なぜSNSでメンバーを集めようと思ったのですか?
かやゆー 身の回りでも一緒にバンドをやれる人を探してはいたんですよ。だけど、なかなかいい人がいなくて。じゃあ、次にどこで探すかってなったらSNSかなって。特に深い考えはなく、自然とそこに行き着いたという感じです。
ゴンザレス そこで最初に集まったのが、僕と当時のベースとドラムで。僕自身、まだギターを始めて2〜3カ月くらいで、誰かとバンドを組みたいなと思っていたところに、かやゆーのメンバー募集のツイートが流れてきて。そこに『世界が僕を嫌いになっても』の音源を一緒に投稿していて、それがすごく良かったんですよ。それで、僕はすぐにDMを送りました。
りょうと 僕は、前任のドラムが「新しくベースを募集します」と、Instagramのストーリーズに上げていたのを見たのがきっかけですね。
かやゆー りょうとくんに関しては出会った当初の記憶がほとんどないんですよ。というのも、最初の半年くらいは影が薄すぎて(笑)。スタジオ練習の後に、僕らはみんなでごはんに行っていたのに、りょうとくんだけすぐ帰ってた。
りょうと 苦手なんです、人と話すのが(笑)。
かやゆー だから、初めのうちはりょうとくんとスタジオで二人きりになった時は気まずかったですね……なんか話題作らなきゃって(笑)。
しおん そこから約1年後に前任のドラムが辞めることになって、僕が入ることになりました。当時、ヤングスキニーはすでに「Eggs」(※1)のランキングでも常に上位で、勢いがあったんですよ。だから、これはチャンスだと。いろいろなバンドメンバーの募集ツイートの中でも、圧倒的に光って見えましたね。
かやゆー 実は、ドラムの最終候補は二人いて。でも、しおんがいいと言ったのはりょうとくんだけ。僕とゴンちゃんはもう一人の方に票を入れていたんです。
ゴンザレス しおんくんは見た目がチャラそうだったんですよ。僕は騒がしそうな人は苦手なので、もう一人の方にしました(笑)。
しおん ひどい(笑)。
かやゆー でも、ここは同じリズム隊であるりょうとくんの意見を尊重しようということになって。
りょうと しおんは候補者の中で一番安定感があったんです。そこがいいなと思いました。
しおん だからりょうとくんは救世主なんです、僕にとって。
かやゆー こんなこと言ってますけど、入って1カ月くらいでりょうとくんに向かって「今まで会ってきたベーシストで一番下手」と言い放ってますからね、彼は(笑)。
しおん いや、同じリズム隊として厳しく言った方がいいかなと思って(笑)。
ゴンザレス それまでは僕がいじられキャラだったんですが、しおんくんのその発言から完全にりょうとくんがいじられキャラになったよね(笑)。
──そんな4人から、どのようにヤングスキニーの曲が生まれているのかを聞かせてください。
かやゆー 4人で曲のイメージを擦り合わせて音作りをすることは全然なくて。僕が送った弾き語りのデモを基に、スタジオでセッションして作っていくというのが基本的な流れです。僕たちは聴いてきた音楽のルーツが若干違うんですね。その分、僕からは出ないようなアイデアがメンバーから出てくることが結構あって。おかげで、ひねりが利いた曲ができているのかなと思います。
インタビュー全編は本誌をご覧ください。
※1:タワーレコードとレコチョクが提供する、インディーズバンド・インディーズアーティストの活動を支援するプラットフォームサービス。
かやゆー(Vo./Gt.)、ゴンザレス(Gt.)、りょうと(Ba.)、しおん(Dr.)の4人組バンド。シンガーソングライターとして活動していたかやゆーがSNSでバンドメンバーを募集し、2020年8月に結成。翌年2月に『世界が僕を嫌いになっても』のMVを公開するとSNSを中心に反響を呼び、特にTikTokでは楽曲を使用した動画が急増。2022年10月には『本当はね、』をリリースし、各ストリーミングチャートの上位にランクイン。TikTokの総再生回数は13億回、YouTubeの再生回数は2週間で100万回を突破し、現在は1,500万回を超える(2023年4月時点)。2023年2月にメジャーデビューを発表。若者のリアルな思いを描く等身大の歌詞で、若い世代を中心に支持されている。