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INTERVIEW
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INTERVIEW
俳優
増子敦貴

増子敦貴「二刀流で駆け抜けた芸能界。自分もファンも、後悔させないロックな生き方」

写真:福永俊樹

ライター:IROHA TSUTO

メイキング映像:Kohei Kamada

アーティスト、俳優、タレントと多数の顔を持つ表現者「増子敦貴」。

男女7人組ダンス&ボーカルグループ「GENIC」のメンバーでありながら、役者として、「つかこうへい作品」や「テニスの王子様」、「機界戦隊ゼンカイジャー」などの大作に出演するほどの実力者。

多彩な経歴を経て、2023年8月10日よりMBSドラマシャワー枠「体感予報」にて地上波ドラマ初主演を果たす。際限なくマルチに活躍する増子が次に挑戦するのは、大人気BL漫画の実写ドラマ。

彼の原動力は一体何なのか、そして、チャレンジャーである彼の未来はどこへ向かうのか。

過去を振り返りながら、彼が思い描く今後のビジョンを探った。

my HERO 公式YouTube

夏の日差しが差し込むスタジオへ、涼しげなブルーの衣装で現れた増子。暑さを感じさせない爽やかな笑顔を作り、撮影に挑む。
りんごとナイフを渡された増子は、窓辺で器用にりんごの皮を向き、美味しそうな表情で口に運ぶ。
スタッフが思わず「尊い」と漏らすほどの表情管理。
一時現場はすっかり魅了されたが、小道具の洋書を開きかなりたどたどしい英語をつぶやくという、スタイリッシュさとのギャップも見せた。
そんなユニークな一面も、彼に欠かせない魅力の一つなのだろう。
23歳という若さながら、実績を積み重ねてきたからこその貫禄がうかがえる増子。
そのストイックな生き方に不可欠なエネルギーの源を紐解くような、取材となった。

増子敦貴 / ©️my HERO

もう無理だ、と思ったことがいっぱいあったんですけど、厳しい環境だったので「辞めたい」とは言えなかった

ー増子さんは、高校生の時に「Boys Award Audition 2016」がきっかけで芸能界入りしたとのことですが、当時はどのような学校生活を送っていたのでしょうか。

高校生までは、ずっとサッカー一筋なサッカー少年でした。中学、高校とサッカーをするために進路を決めるほど、部活動に必死な毎日を送っていました。

強豪校に進んだおかげで、今まで見たことのない実力者たちが揃っているのを目の当たりにして、世界の広さを感じたというか、幼いながらに挫折も味わいました。

ーサッカーの実力は、ご自身でどう感じていましたか。

僕、普段は不器用なんですけど、サッカー中なら周りを見れるタイプで、パスとかフリーキックの精度は高い方だったので、試合には出れていました。市内で選ばれるトレセンに選ばれたりも。

ーオーディションを受けたのは何年生の時ですか?

高校1年生の秋です。父が、東京で開催されるオーディションに応募してくれました。「人前で何かやることは人生に必要だ」と。

そのオーディションはダメだったんですけど、僕のことを気にかけてくれたエイベックスのスタッフさんが、違うオーディションに参加しないかと声をかけてくださり、そこから芸能入りした、という感じです。

ーかなり早い時期ですね。その時点で、サッカーと芸能界の両立はどのように考えていましたか。

当時は、「落ちたっていいや」くらいの気持ちでしたし、まさかオーディションに受かって芸能の道に進むとは思っていなかったので、正直、「いつの間にかこうなっていた」という感覚です。

ーちょっとした人生経験くらいの気持ちだったんですね。

そうですね。そして、気がつけばダンス&ボーカルグループにも挑戦して。

せっかくサッカー目的で進学したのに、その夢を諦めて全く違う場所で再スタートするということで、両親には「すごく迷惑をかけたな」と思いつつも、「そういえば、写真送ったの親だ」と…。笑

ーその通りですね(笑)

親御さんが応募されたとのことですが、増子さん自身、芸能界にご興味はありましたか。

ありましたけど、テレビの世界って、選ばれし者だけが入れる場所じゃないですか。

だから、夢のまた夢でした。なんならプロサッカー選手の方が、まだ現実味あるのかなと。(笑)

ーサッカーに熱中する増子さんを応援しながら、親御さんはなぜ写真を送ったのでしょうか。

父は、僕がドリブルをしている姿を送ったんですよ。それが、当時父が好きだった俳優さんに似ていたらしいんですよね。

でも、その写真が目に止まったわけではなかったと思います。

僕が思うに、オーディションの特技披露で歌ったアカペラのレイニーブルーが、エイベックスに刺さったんじゃないかなと。

変声期前で、めちゃくちゃ声が高かったんですよね。

増子敦貴 / ©️my HERO

増子敦貴 / ©️my HERO

ーでは、もともと趣味で歌うことは好きだったんですか?

好きでした。中学時代に、家族や友達とカラオケで遊ぶのが、僕の地元、福島県でも流行っていたので。

ーその後、ダンス&ボーカルグループに参加されたと思うのですが、歌が好きということですので、あまり抵抗感なく始められたのですか。

歌に関しては、もともと趣味でもあり、レッスンで初めて知る知識もあったりして、ずっと楽しい状況でやってこれました。

でも、ダンスは本当に大変でしたね(笑)幼い頃から習っている方ばかりなので、僕だけみんなとの練習から出され、エイベックスアカデミーにある自販機の反射を利用して一人で練習していました。

ーダンスで挫折して、辞めたいと思うことはありましたか。

ありましたし、ちょっともう無理だ、と思ったことがいっぱいあったんですけど、厳しい環境だったので「辞めたい」とは言えなかったです。

それぐらい切羽詰まっていた過去が、今ではそれでよかったなって思います。ちょっとでも余裕があったら、辞めていたと思うので。

あと、舞台やミュージカルに出演する時に、「動けるし歌える」というのはどこでも通用する武器なので、当時の挫折が今に繋がっていると感じます。

自販機の前で練習できて良かったです(笑)

ーその当時、ご家族は応援してくださっていましたか。

すごくしてくれました。栄養を考えて、実家で作った料理をタッパーに詰めて持ってきてくれたりとか、しょっちゅう応援しにきてくれていました。

今の目標は、その作品にもう一度出演して、俳優としてさらに認められること

ー2016 年、2017 年頃から、舞台を中心に「俳優」としても活動を行なっていると思います。「俳優」に ついて、当時からご興味があったのでしょうか?

よく両親に「歌手より俳優の方が似合うんじゃない?」と言われていたということもあり、興味はありました。

つかこうへいさんの作品に出させていただいた時から心持ちが変わりましたね。

演出家の方や周りの先輩方から教えてもらったことで、「こんなに奥深いのか」「対人間でやるって、こんなに面白いんだ」と、演技への興味がどんどん湧いて。

自分の人生の、革命でしたね。サッカー以上にはまれるもの、没頭できるものはこれ以外無いだろうな、と思ったのが舞台でした。

ーそこから色んな作品に出演したいという欲が湧いたんですね。

「つかこうへい」作品や「テニスの王子様」は、普通の舞台とはかなり違う要素があるかと思います。それらに出演した際に、他の作品との違いは具体的にどのように感じましたか。

つかこうへいさんの作品で、「熱海殺人事件」を、あの歳でやったのは間違ってるんですよ。

本来は、高い技術と俳優パワーを持ち合わせた相当な人格者じゃなきゃ、できない役柄だと思います。思い返すと、当時の若さとフレッシュさが生んだ化学反応だけで演じたなと感じます。

今の目標は、その作品にもう一度出演して、俳優としてさらに認められることです。

それから、テニスの王子様に合格して、演技の幅というよりも、世界が広がった感じがしました。

原作のファンが沢山いる中でそのキャラクターを演じるプレッシャーを抱え、「これは超人たちがやる作品だ」と。2.5次元俳優の皆さんのすごさも実感し、歌と一緒に本当にテニスを練習したりもしました。

そして、数年経って、スーパー戦隊シリーズの「機界戦隊ゼンカイジャー」に出演が決まりました。1年間やる映像作品というのは初めてだったので、映像作品の大変さや楽しさを知れた1年でした。

増子敦貴 / ©️my HERO

ースーパー戦隊シリーズを演じる中で、葛藤や苦悩はありましたか。

撮影期間が長いので、自分のキャラクターを演じるうちに最初の解釈とぶれることがあるんです。

そこで悩むこともありましたが、「お芝居に正解は無い」じゃないですか。ブレたとしても、俳優としての成長と新しいかっこよさを届けられたらな、と思いながらできるようになりましたね。

あの期間は、演技よりもアクションがすごく大変だった思い出がありますね。自分のキャラクターが強かったからこそ、回し蹴りなどの生身のアクションが多く苦労しました。

でも、変身をする時にダンスが必要だったので、その時にダンスをやっていて良かったなとは思いました。

ゼンカイジャーを経て映像作品にすごく興味が湧いて、そこからありがたいことに色んな役をやらせてもらえるようになり、今に至ります。

GENICは、ライバルであり仲間でもある、唯一無二の存在

ーちょうどその頃が2018年、2019年あたりだと思うのですが、そのあたりに、今のグループ「GENIC」の育成プロジェクト(a-genic PROJECT)が始まりましたよね。役者としても多忙な時期に、両立することで挫折はありましたか。

これから俳優一本でやっていこうとしていた時に、a-genic PROJECTのお話しがあったのですが、頭のどこかで、先輩グループAAAさんへの憧れが強くあったんですよね。

なので、人生一回きりだし、まだ若いし(笑)挑戦してみるのもありなのかなと思って、親の反対も押し切り参加しました。

正直、両立する上で、行き詰まって心折れそうな時もありましたけど、そんな時に親に相談しても、「若い時はどんだけ働いても大丈夫だ」と軽い返答が返ってきていたので、「そんなもんか」と思えていました(笑)1日1日、目の前のことを全力でやろうと走り続けた感じですね。

増子敦貴 / ©️my HERO

ー役者活動をしながら、正式メンバーに向けての選考中でもあったと思いますが、増子さんとして「役者か音楽か、どちらかに絞る」という考えはなかったのでしょうか

ありました。作品に出演する時は、そっちと向き合いたいなと思うことはありました。

それがメンタルにきて負担になってしまうことも少なくなかったんですけど、結局はその二刀流を選んだのは自分だし、そこを乗り越えたら怖いものはないなと思ったので、やってこれました。ゼンカイジャー出演中にツアーをやった時は結構きつかったですね(笑)

俳優さん、アイドルの皆さんの中には、それをずっとこなしてる方が多いじゃないですか。

だから僕もそれを当たり前にして、視野を広くしないといけないなと思っています。

ーでは、「GENIC」について深くお伺いできればと思います。増子さんが思う「GENIC」とは、どのようなグループなのでしょうか。

アーティストとしてはまだこれからだけど、「スターになるんだ」という、強いハングリー精神を持った人たちの集団だなと思います。

楽曲制作のできる子がいて、ダンスの魅せ方が上手い子がいて、周りを見れるリーダーがいて、みたいなバランスがすごく良く、フレッシュさもある。世間に見つかってしまえば、一発ホームラン!みたいなグループだと思っています。

ーGENICといえば、エイベックスの代表的なグループ構成(男女ダンス&ボーカルグループ)だと思います。それについて、どのようにお考えですか。

僕は、やっぱり先輩方を越えて、最先端をいきたいなって思っています。

様々なジャンルで個々が活動している、アベンジャーズみたいな集団ってなかなかいないと思うんですよ。しかも男女混合で。そういう集団になりたいなと思います。

ーその中で、増子さんの役割は何だと思いますか。

現段階では、GENICという名前を多くの方に知ってもらうための広告塔のようなポジションだと思います。

ドラマや作品に出させていただき、そこからGENICに興味を持つ方も少なくないと思うので、僕をきっかけにGENICのコミュニティが広がってくれると嬉しいです。

ーGENICの中で「広告塔」という役割を持つ増子さんに対し、メンバーの皆さんから応援の言葉をかけてもらうことはありますか。

もちろん応援してくれています。僕たちは、良い意味でライバル心が強いと思います。

楽曲制作を頑張ってるメンバーが「俺良い曲書くからさ、撮影頑張ってね」みたいな言葉をくれたり。そういうのっていいですよね。ライバルであり、仲間でもある、みたいな。唯一無二の存在だなと思います。

増子敦貴 / ©️my HERO

ー今年4月に、GENIC4度目のツアー「GENIC LIVE HOUSE TOUR 2023 -Flavors-」の追加公演がLINE CUBE SHIBUYAにて開催されました。GENIC史上最大キャパシティーの会場でのワンマンライブは、いかがでしたでしょうか。また、それらの経験を経てグループとしての今後の目標をお聞かせください。

4月のワンマンは、GENICとGENImin(GENICのファン名)が作り上げた新しい景色を見ることができました。

「早く俺らも上に行きたい」と焦燥感に駆られていた中で、ゆっくりながらも着実に前には進めているのかなと思えた景色でした。その希望を捨てずにチームに貢献できればと思っています。

何より、ライブに来てくれるファンの皆さんたちというのは、チケットやグッズ、ファンクラブなど、色々な面で支えてくれています。

その期待は少しでも裏切らないように、感謝の気持ちと誠意を持って仕事に取り組んでいきたいと思います。

棚田葉も、瀬ヶ崎瑞貴も、徐々に可愛らしい部分が出てきたりとか、見れば見るほど二人を好きになっていくはずです

ーそして、8月10日(木) 深夜から放送がスタートする、MBS ドラマシャワー枠「体感予報」に主演として出演が決定しております。(崖っぷちエロ漫画家・棚田葉役)

人気原作漫画の実写版。まずはどのような作品なのでしょうか?

二人の同居生活からスタートするという、あまり見ない始まり方が特徴です。

その中で、想いを伝えたいけれど伝えきれていなかったり、受け取る側も受け取れていなかったり…という、なんかちょっとこじらせてしまうような、繊細な心情を描く純愛ストーリーです。

1話から最終話にかけて、なぜ、どう、その人が好きなのかが徐々に明かされていく感じが新しいなと感じますし、どんどん役の魅力が増していく作品だと思います。

棚田葉も、瀬ヶ崎瑞貴も、徐々に可愛らしい部分が出てきたりとか、見れば見るほど二人を好きになっていくはずです。

ー出演が決定した時はどのようなお気持ちでしたか?

BL作品に触れることが初めてだったので、新しいチャレンジだなと思いつつ、物語の筋となる部分が僕のモノローグだったりもするので、責任もありましたね。

僕が「受け側」なので、表情管理にも試行錯誤しました。

でも、幸平(瀬ヶ崎瑞貴役:樋口幸平)とも波長が合い、楽しく撮影させていただきました。

増子敦貴 / ©️my HERO

増子敦貴 / ©️my HERO

ーBLというジャンル、そして「崖っぷちエロ漫画家」という役柄を聞いて、クランクインの前にリサーチなどは行いましたか。

もちろん、原作は読みました。「漫画に合わせる」ということではなく、物語のリアルさを現実として解釈することを意識しました。姿ではなく、心情をリアルに解釈するのが大変でしたね。

「実際に酔っ払いながら嫉妬心をむき出しにする時の感情ってなんだろう」と思いながら、僕も一回酔っ払ってみたりしました(笑)

そのように、かなり事前準備をしてからクランクインしましたね。幸平もそうだと思います。

ー放送前からSNSでの反響が目立ちます。とても楽しみですね。

そうですね。ありがたいことに、予想を超えて反響があります。

ティザーや写真と同じく本編がめちゃくちゃ素敵なので、ぜひ多くの方に見て欲しいです。

僕も、視聴者からどのような反応をされるのか、初回を見るのが楽しみです。

増子敦貴 / ©️my HERO
昔も今もこれからも、ずっとチャレンジャーでい続けたい

ー振り返ると、増子さんは今まで数々の「ステージ(音楽・舞台・ミュージカル・役者)」を表現し、挑戦をされてきたと思います。 今後のビジョンや、目標を教えてください。

俳優としては、やっぱり朝ドラに出てみたいです。役者としてすごく成長できるだろうし、朝早くからみなさんのお茶の間にお邪魔して、お芝居をしてみたいという気持ちが強くあります。

あとは、今だからできる役、例えば高校生とかを、できる年齢の間にやってみたいですね。

アーティストとしては、まずグループ内で近い目標として掲げている「武道館」公演を達成できるように、頑張りたいです。

ー増子さんは、常に新しいことにチャレンジし続けている、というイメージがあります。そのような自分に対して、どのように感じていますか。

僕、生き方はめっちゃロックです。自由人で、「明日死んでも後悔しない1日を過ごそう」みたいなタイプなので、昔も今もこれからも、ずっとチャレンジャーでい続けたいなという思いがあります。

僕は飽き性なので、常に新しいこと、できないことに挑戦していくという意味では、これからも変わらない自分でありたいです。

ー最後に、my HERO をご覧になっている視聴者へ、メッセージをお願いします。

ここまで読んでいただきありがとうございました。このような取材をきっかけに、僕の性格や経歴を知ってもらえたのはすごく嬉しいです。この先僕が出演する作品やライブには、いつでもカモンカモンベイビーなので、ぜひ一緒に思い出を沢山作っていただけたら嬉しいです。「my HERO」を読んで、僕の「myFAN」になっていただけたらと思います。

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※ 締め切りは、8月27日(日)23:59まで

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【 PROFILE 】

増子敦貴 / ©️my HERO
増子敦貴

2000年1月5日生まれ。福島県出身。男女7人組ダンス&ボーカルグループGENICのメンバー。

俳優として、最近の出演作に、スーパー戦隊シリーズ『機界戦隊ゼンカイジャー』(‘21)、ドラマ『合コンに行ったら女がいなかった話』(‘22)、ミュージカル『東京ラブストーリー』(‘22)、ドラマ『ナナシ-第七特別死因処理課-』(‘23)などがある。

公式Twitter

公式Instagram


【ドラマ出演情報】

MBS ドラマシャワー枠「体感予報」

2023年8月10日(木)放送開始

毎週木曜 深夜 1:29〜(※ 初回放送は、深夜 1:34~放送)

放送エリアの詳細は、公式サイトをご確認ください。


★掲載のオフショット写真を、my HERO 公式Instagram にて後日公開します。

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