− CUBERSは、オーディションを通して2015年に結成されたグループだとお聞きしました。当時メンバーの皆さんの年齢は、10代後半〜20代前半くらいだったと思います。オーディションを受ける前は、どのような生活をされていて、どのような経緯があったのでしょうか。
9太郎 僕は、CUBERSに受かるまでの8年間は、色々な芸能事務所のオーディションをめっちゃ受けてました。中高時代は全く受からず、大学は音大に行って作曲とか歌とかを勉強しながら 1人 でライブ活動をしていました。
− ご自身の中でオーディションに挑戦する期限はなかったんですか?
9太郎 なかったですね。目指してるというより、アイドルになる以外のことを考えていなかったです。なるために、やるべきことをやるという日々でした。
優 僕はCUBERSを始めるまで、普通の高校生でした。もともと芸能の仕事をやりたいと思っていたのでオーディション雑誌の一般公募に送って、CUBERSになりました。
TAKA 僕は地元の愛媛から大学進学のために上京してきたのがきっかけです。芸能の仕事をやるつもりは全くなかったんですけど、いざ東京に来たら「芸能界」をかなり身近に感じるようになって。興味が出てきて、当初はノリでオーディションを受けました。オーディション自体、このCUBERSオーディションが初めてでした。
春斗 僕はもともと、つばさレコーズのボイスレッスンを受けていて、特にアイドル活動をやりたいとは思っていなかったんですけど、事務所の方に「こういうオーディションあるから受けてみないか」と言われて、受けたのがCUBERSでした。
− 9太郎さんにも伺いましたが、ご自身の中でオーディションに挑戦する期限はなかったんですか?
春斗 特に何も考えてなかったです(笑)とりあえず歌は好きだったのでレッスン受けていたら、声がかかったという感じです。
TAKA 春斗くんらしい(笑)
綾介 僕も大学進学で東京に出てきたんですけど、当時は3年生で、普通に就職活動をしていました。同時にずっとストリートダンスをやっていたんですけど、結果を残していたということもあって、スクールの方からオーディションの話がきて、なんとなく挑戦してみた、という感じです。「就職かCUBERSか」で、CUBERSを選びました。
この関係性は “同じ方向に向いていたら自ずとよくなっていった” という感覚
− グループ結成後、始めのうちは『只今、研修中です。男子』という仮ユニット名称で活動されていたと思います。デビューシングル発売、ショッピングモールツアー、ワンマンライブなどが行われ、アイドルグループとして、一気に多忙な日々が始まったことと思いますが、当時の心境や、メンバー同士、グループの雰囲気はいかがでしたか。
TAKA 当時、事務所のスタジオでは、もともとスクール生だった春斗くんが縄張りを張っていました。
春斗 え、猫?!(笑)
9太郎 スタジオの左後ろの方を自分の陣地にしていました。
− てことは、みなさんにとって、春斗さんは怖い印象だったんですか?
TAKA 怖いというか、春斗くんはスクール生で、僕たちはオーディションで来たから、「俺はお前らとは違うよ」みたいな雰囲気があって…。
春斗 違う違う!(笑)
9太郎 初めてレッスンに来たらそんな感じだから、僕も最初は春斗くんに敬語でしたね。活動が始まってから、どこからタメ語に変えれば良いのか悩んでいた記憶もあります。話してみたら全然怖い人ではなくて、自然と敬語は無くなっていきましたね。
− 3月3日が合格発表で、初ステージが4月の頭だったと伺いましたが、いきなり初ステージへのレッスンが始まって、ギクシャクした雰囲気などはありましたか。
TAKA 追加メンバーで途中から入ってきた優は、「自分は狼やライオンがいる中の羊だ」みたいなことを言っていました(笑)
優 なんか空気感が違う感じあって。こっちの3人(TAKA、春斗、綾介)が肉食動物みたいな…。
9太郎 今より見た目も尖ってたしね。
TAKA 今だいぶマイルドになりましたね(笑)僕なんて金髪のオールバックだったので。
春斗 俺、襟足めちゃくちゃ長かったもん。
TAKA 顎も尖ってた。
春斗 やかましいわ(笑)
9太郎 どちらかというと、優は他と系統が違いました。
優 黒髪で、ゆるふわパーマ。ガーリーな雰囲気でした。
− 優さんは、グループの中で、浮いてるな、と感じたことは?
一同 浮いてはいました!(笑)
優 浮いてたんだろうけど、困ったことはなかったです。
− では、割と早い段階で仲良く活動ができていたんですね。
TAKA 「仲良く」というか、僕なんて歌もダンスも経験がなかったので、一ヶ月後に迫ったステージが大丈夫なのか?と、とにかく必死になっていました。なので、この関係性は同じ方向に向いていたら自ずとよくなっていった、という感覚ですね。無理に仲良くしようとは考えたことがなかったです。
あの時、これが一生続くのかなと思いました
− そして、2015.07.24 に「CUBERS」という名称が正式に決定。発表された時の感想を覚えていますか?
綾介 「只研」(只今、研修中です。男子)に愛着もわいていたので、ちょっと寂しい気持ちもありつつですけど、ちゃんとした名前だったから嬉しかったです。
9太郎 僕、決まった瞬間のこと覚えてます! 僕たちにもサプライズで、ファンの人たちと一緒に知ったんですけど、「CUBERSです!」と出た瞬間に、お客さんが「え…?」みたいな空気になったんですよ。それを察して「わー!」と盛り上げた記憶しかないです(笑)
優 その時は、「只今、研修中です。男子」からもっと変な名前が来ると思っていたんですよ。でも「CUBERS」、そんなに変な名前じゃなかったから、お客さんも込みで、驚いたんですよね。
− さらに、同年 10月16日、六本木morph-tokyo にて、グループ初のワンマンライブ「CUBERS 1stワンマン~今日こそと意気込んだday~」が開催されました。その時の光景を、今も覚えていらっしゃいますか。
9太郎 懐かしい!!! 僕ピアノ弾いた。
優 俺マジックやった。
TAKA 俺フラッシュ暗算した。
9太郎 こういう、ソロコーナーみたいなのがあったんですよ。
TAKA そこに理由はなく、当時は言われたことをとりあえずやる、という感じでした(笑)
9太郎 たしか、MCで裏に戻った時にチーフマネージャーの堀切さんから、「空気がやばいからもっと頑張って」と言われて、すごく焦ったのを覚えてます。初めてのワンマンで僕たちもお客さんも緊張しているし、満員じゃなかったのもあって、まあ盛り上がらなかったですね(笑)
TAKA それでも当時の僕たちからすると、たくさんのお客さんが来てくれた、という印象でした。
綾介 ワンマンなので、僕たちの為だけに来てくれた、と思ったらすごくありがたかったです。
9太郎 僕、あそこにあのファンの方がいた、とかも覚えてます。優のことを応援してた男性ファンの方が真ん中らへんで見てたな、とか(笑)
− 当時からのファンで、今でもライブやイベントに足を運んでくださっている方はいますか。
TAKA いますし、特典会をやったりもするので、もちろん認知しています。
9太郎 当時学生だった子が今大人になって、引っ越したとか、高校生から大学生になったとか社会人になったとか全部見てるので、本当にエモいですね。
綾介 当時20歳のファンの方が久しぶりにきて、「結婚しました」と報告されたこともあります。「結婚式で、CUBERSの曲を流しました」とか。
− それはまさに「エモい」エピソードですね。 では、初めてのワンマンライブは不完全燃焼に終わってしまった、という感覚だったんですね。
9太郎 当時、完全燃焼のライブはなかったです。毎回ライブの後に怒られて、対バンライブでは自分たちの番が終わると、外に出て裏の路地でチーフマネージャーの堀切さんと一緒に映像を見ながら「ここがダメだった」と反省をして。あの時、これが一生続くのかなと思いました。
− それだけいいライブに仕上げよう、答えを求め続けようという、事務所やマネジメントの意欲があったんですね。その後の、2016、2017年も、様々な会場で勢力的にライブ活動を行なわれていましたが、ライブの反省会や試行錯誤はどれぐらい続いたのでしょうか?
9太郎 かなり続いたと思います。反省の内容はどんどん変わっていきましたけど、直後の反省会は数年続きましたね。MCの台本もメンバーで作ったり…。
綾介 台本も、「雨の日バージョン」とかがあって「今日どっちにする?」みたいな。
TAKA 基本天気の話しかしない(笑)今日は晴れましたねーみたいな。
綾介 トーク力は全くなかったので、台本でやるしかなかったんですよね。
− MCを進める上で、メンバーの中での役割などはありましたか?
TAKA 最初は春斗くんが引っ張ってました。リーダーではないんですけど、最年長として、ということで。告知なども全て春斗くんの役割でしたね。でも、ポンコツなんですよ。で、徐々に化けの皮が剥がれ始めて…。
春斗 化けの皮って何?!
TAKA インディーズ時代のワンマンライブで、お客さんに聞いたことがあるんですよ。春斗くんにだけ目をつぶってもらって、「いつも春斗くんが代表して喋ったりとかCUBERSを引っ張っているように見えてますけど、実はポンコツなところがあるのに気づいてましたか?」と聞いたら、全員が手挙げてました。
一同 爆笑
TAKA そこから、引っ張っていく立場から退いてもらいました。
− それができるって、メンバー同士も和気藹々としている証拠ですよね。
綾介 本当にそうです。和気藹々とした空気が常にありました。
TAKA 最年長なのに、めちゃくちゃいじられキャラになっちゃって、でもそこが春斗くんの良さで。最年長がしっかりしているのもかっこいいんですけど、年下の僕たちに寄り添ってくれる、一緒にふざけてくれる最年長がいることで、僕ら的に助かっている部分もありました。
春斗 大事なところでめっちゃ噛んでました。でも今はそういうところあんまない…よね…?(メンバーを見渡す仕草)
9太郎 今、そこじゃないところで担ってもらってるから。
春斗 はい。僕自身、今は自由にできています(笑)
− 2016年、2017年は、そういう過程を経てお互いを理解していったんですね。
9太郎 でも、春斗くんはかなり大変だったと思います。ステージに立つのも初めてな中、全部を任されていたので、「僕にはできないな」と思いながら見てました。
春斗 今ならいけるかもしれない。
9太郎 今でも無理です。
一同 爆笑
僕は泣いちゃいましたね。夢の一つでもあったので
− 2018年以降は、ライブ会場の規模が大きくなり、また出演するイベントなども、それまでとは違う会場や企画などにもチャレンジされたと思います。地道なインディーズ活動中、葛藤や倦怠期などはあったのでしょうか?
TAKA その当時は、結構お客さんに助けられた印象があります。ライブってお客さんと一緒に作るもので、僕らだけじゃダメじゃないですか。その大事さをより感じた時期でした。お客さんたちが、僕たちのライブを盛り上げよう盛り上げようと頑張ってくれていたので、僕たちも音楽に対して真剣に取り組めていました。
− そして、2019年5月8日に、キングレコードよりメジャー・デビューが決定。メジャー・デビューシングル『メジャーボーイ』表題曲の楽曲提供は つんく♂さん、振付は 夏まゆみさんと、著名な方から楽曲提供もされております。メジャーデビューが決定した時の感想はいかがでしたか。
TAKA メジャーデビューの発表は、クリスマスライブの時で、僕らもお客さんと一緒にサプライズで発表されました。9太郎が、はしゃぎまわってたのをすごく覚えてます。
9太郎 僕、モーニング娘。さんが好きだったので、つんく♂さんに楽曲提供してもらえると知った瞬間、「めちゃめちゃ嬉しい!」ってなったんです。と同時に、メジャーデビューってなったら関わる人も増えるから、今までより結果をどんどん出していかなきゃいけないんだな、って考えたりして、その後割と冷静になりましたね。
− 嬉しさより、緊張感の方が高まったんですね。他のメンバーの皆さんは、いかがでしたか?
綾介 僕は泣いちゃいましたね。夢の一つでもあったので。ステージ上で泣いたのは、後にも先にもあれが初めてかもしれないです。
TAKA 優が抱きついてきたのを覚えてます。発表した後に披露した曲中に、一番抱きついて来ないタイプの優が、僕に急に抱きついてきて、その勢いのまま僕も一緒に転げちゃって。
優 いや、その時のTAKAって、舞台にもめっちゃ出てて、本当に立ってるのが精一杯の状態だったんですよ。そこに僕が気持ちでいっちゃったから、タックルみたいになりました(笑)
TAKA でも、そんなことしないタイプの優がそれをするってことは、優自身も相当嬉しかったんだろうなって感じましたね。
春斗 僕は、信用できなかったです。「嘘じゃね?」って(笑)
TAKA 4人が喜んで、泣いてるメンバーもいる中、1人だけ疑ってたの?!
春斗 現実を受け入れられなかった感じですね。でも、だんだん周りに大人の人たちが増えてきてやっと、「あ、本当にデビューするんだ」と。
9太郎 結構長い間疑ってたね(笑)
メンタルはかなり落ち込んでるけど、数字は伸びてるという状況で情緒不安定でした
− 2020年以降、順調にグループとしての活動を進めていく最中、コロナ禍による打撃を受けイベントやライブが中止を余儀なくされたと思います。その期間は、CUBERSにとって挫折の期間だったのか、それとも前向きに乗り越えた期間だったのか、当時の心持ちはいかがでしたか。
優 ライブも中止になり、心持ちとしては「悔しい」日々でしたね。でも、その中でもネットツアーや配信など、できることを精一杯やりました。他のグループとは違って、ぶっ飛んだ企画とかにもチャレンジしましたね。あとは共同生活とか。
9太郎 3rdシングルのリリースイベントが決まっていた時に、ちょうど大きなライブが中止になって。その時のこともしっかりと覚えてますね。たしか、テレビの歌番組の収録が終わった後に、スタッフさんに楽屋に集められて、「中止になります」と聞かされて、「まじか」と。僕は悔しすぎて、テレビ局の廊下で1人で泣きました。当時、グループとして、お客さんがどんどん増えていく状況だったので、これまで積み重ねたものが全部なくなるじゃんって。
TAKA 9太郎のSNSがバズり始めたのもちょうどコロナの半年前くらいで、「これはすごいぞ」と。それと同時にお客さんも増えてきて、盛り上がりを感じてたので、「色んな夢が実現するかもしれない」と思っていた矢先のことでしたね。あの時は本当に苦しかったですね。。。
− グループとして、一番苦しかったタイミングだったんですね。ちなみに、先ほどおっしゃっていた、「共同生活」についてお話を伺いたいです。
綾介 2021年に、ちょうど一ヶ月間、「自分の家に帰るのは禁止」というルールのもと、行いました。
9太郎 ライブでお客さんを動員することができない中で、SNSで盛り上げられるものを、と考えてる中での一つの企画でした。
TAKA 9太郎が、共同生活がかなり苦手だったようで、一回帰ってこない日がありました(笑) ちょうどその日の昼、「共同生活に帰りたくない」と、ふざけ半分で駄々をこねてたんですけど、まさか本当に帰ってこないとは思わなくて。みんなでめっちゃ焦って、最終的に夜中の3時くらいに帰ってきましたね。
優 みんなで「帰ってこないね」「あいつ飛んだな」とか言いながらね。
− その時は、どこに行っていたんですか?
9太郎 友達といました。「もう無理」と思って…。朝起きてもスタッフさんとメンバーがいて、一緒に仕事場に行って、帰ってきてもカメラがあって、本当に病み散らかしてました。頭おかしくなるかと思いました。
− 9太郎さん以外の方は、共同生活はいかがでしたか。
TAKA 僕は、9太郎ほど抵抗はなかったです。ただ、僕だけ自分の部屋がなくて、ほぼリビングみたいなところだったんですよ。 よく、春斗くんがお酒持って僕の場所に押しかけて来てました。でもそれも楽しかったですね。夜みんなでお酒飲みながらゲームやったり。
9太郎 それは楽しかった!! 夜にスマブラみんなでやるのだけは楽しかった!
綾介 僕はとりあえず個人の部屋があったし、普段住んでる場所と違う街での暮らしだったので、散歩に行ったり気分転換したりと、意外とあの日々も楽しかったかなと思い返します。仕事で近くに行ったりすると、たまにみんなで住んだ家を見に行ったりするんですよ。家に帰れなかったり、友達と会えないのは辛かったですけど(笑)
春斗 僕も、1人の時間が好きなタイプなので少しきつかったですけど、基本的には楽しかったです。リビングに行けばTAKAもいるし(笑)お酒持っていくと一緒に飲めるので。
TAKA 春斗くんは酔っ払うともう、帰らないんですよ。帰らないし、ゲームをするために集まってきたメンバーも、帰さないんですよ。
綾介 いろんな出来事があって、楽しかったですね。優が魚を焦がして警報機が鳴るとか(笑)
優 街中のおじいちゃん、おばあちゃんが集まってきました(笑)
綾介 鍵が開かなくて1時間半くらい締め出されたこともありました。寒い時期にまっ暗の中、男3人が道端で待つっていう…。
TAKA あれ絶対怪しまれてたよね…。
− グループとしてだけでなく、メンバー個々の活動も目立つCUBERSですが、特にリーダーである9太郎さんの「オタクあるある動画」は、2019年、2020年頃から急激に注目を集めたコンテンツとなり、世間に周知されるきっかけともなったかと思います。「バズった」ことに対し、ご本人、そしてメンバーの皆さんはどのように感じましたか。
TAKA 「バズる」っていうのが、今まで身近にいなかったので、僕たち自身は実感が湧かなかったです。ずっと前から一緒にやってきた9太郎に変わりはないので。すごいことだなと思いはじめたのが、街中で、知らない方にすごい話しかけられるんですよ。「あの人じゃん!」みたいな。そこで感じましたね。あとは、僕が個人仕事でいろんな現場に行った時に、「あの人と一緒のグループだよね」と言われるようになって、9太郎きっかけで仲良くなった人もたくさんいます。
9太郎 9太郎きっかけで…?キューピット的なこと?!笑
− CUBERSにとっても影響力は大きかったんですね。
TAKA めちゃくちゃありましたね。もちろん集客も増えましたし。でもやっぱり僕たちにとっては近すぎて、最初はわからなかったです。
9太郎 僕は、可愛げない言い方かもしれないですけど、「夢みたいだな」とか、そういう感じではなかったです。僕は、グループの中で歌が一番うまいわけでもダンスが一番うまいわけでもないし、一番かっこいいわけでもない。TAKAは演技の仕事をガツガツしていてとか。そんな中で、「自分は何にもなれていないな」と感じていたんですよね。で、自分でもメディアの仕事を増やしたいと思う中で、「僕はSNS頑張ります」と。バズるために10ヶ月間毎日SNS投稿してて、やっとあるある動画がバズったんです。
TAKA 最初の投稿がバズり始めた時、どういう心境だったの?
9太郎 これ、すごい覚えてる。事務所の人と個人面談していた時、「今後テレビとかの仕事がしたい」という話をしたら、かなり厳しく指摘されて。かなり落ち込んだ時があったんです。でも、その会議の前に、オタクあるある動画の1本目をあげていたんですよ。そしたら、会議が終わったくらいに数字が伸び始めて。メンタルはかなり落ち込んでるけど、数字は伸びてるという状況で情緒不安定でした(笑)
− それが一時的にではなく、何年も続いているのがすごいですよね。
9太郎 数字が落ち着いてしまった時もあったんですよ。事務所の人に、「オタクあるある動画の需要はこれが限界かも」と言われてましたし。でも、僕はそんなはずない、まだ届いていない人もいる、と思って、とにかく頑張ってきました。一番嬉しかったのは、SNS総フォロワー数が100万人を達成した時です。それまではかなり苦しんでいたんですけど、続けてて良かったなと思えました。
− バズって嬉しいけど、戦い続けるスタート地点に立ってしまった、という感覚だったんですね。
9太郎 そうですね。そして、2020年のライブが中止になった月に、初めてのテレビの収録があったんです。でも、ライブが中止というショックと、初めてのバラエティというので、色々ありすぎて。3週間くらい体調不良が続いていました。初めて人生の闇を知ったというか…。
− インフルエンサーとして、かなり紆余曲折があったんですね。TAKAさんも、CUBERSとしての活動以外に、2.5次元の舞台を中心とした役者としてもご活躍されていますが、アイドルと役者の両立に苦労したことはありますか。また、両立したことで良かったことなどはありますか。
TAKA 苦労はめっちゃしましたね。最近はコツや慣れを掴んできましたけど、ありがたいことに同時に色んな仕事が被っていた時は、かなりしんどかったですね。9太郎みたいに具合悪くなったこともあって。ライブ立つギリギリまで、もうしんどくて嗚咽が止まらない、みたいな。「良いライブにしよう」というより、「とりあえず最後までこなさないと」という感覚で、追い詰められたこともありました。でも、その分いいこともたくさんあって。純粋に応援してくれる人も増えましたし、板の上での経験をCUBERSに活かせたり。舞台やり始めは「もうしたくないな」「俺は向いていない」と思ってたんですけど、今は続けてきて、頑張って来てよかったなと思っています。
「同じ曲なのにこんなにも変わるのか」と、曲のすごさに気がついたんです
− CUBERSは、来年3月をもって解散することが発表されました。解散理由は「目指していた結果に届かなかった上での苦渋の決断」とのことですが、メンバーの皆さんそれぞれのコメントから、「決して不仲になったわけではない」「CUBERSが大好きです」などといった、グループ愛、メンバー愛が感じられました。 「解散」を決めるにあたって、きっかけや、どのような話し合いがあったのでしょうか。
9太郎 まず憶測で流れてるのが、「結構前から決まってたのでは」というところなのですが、そのことについてチームで話が上がったのは、今年に入ってからなんです。
優 「一回、みんな腹割って思ってることしゃべろう」ってなった時に、みんな同じ気持ちだった、というか。まさにタイミング的な。
TAKA かなり話し合いを重ねました。理由としては、メンバーそれぞれですね。もちろん年齢的なこともあるし。 「解散」という結論にはなりましたけど、本心がそれを望んでいるかというと、苦渋の決断です。気持ちとしては、CUBERSが好きだしずっと続けていきたいし夢も見続けたい。でもやっぱり、そうも言っていられない現実もあって…。自分自身と、そしてメンバーと向き合って、この結論に至りました。
− そんな中10月25日には、CUBERSにとって、プレラストシングル『つまり、ぞっこんLOVE』が発売されます。この、ラストにかける思いや、聴きどころを教えてください。
優 グループの解散が決まり、これからの活動を考えたときに、下向きになるのはつまらないな、と。せっかくだったらお客さんに感謝を伝えたいということで、3月31日までたっぷり時間を設けました。その期間に何をするかを考え、5ヶ月連続配信リリースを決めました。残された時間でたくさん曲を出したいし、お客さんに感謝を伝えたいという気持ちにみんな同意したんです。そんな中で出す今回のプレラストシングルは、初めて僕たちを知る方より、「今までのお客さんに向けて」という思いが一番強いかもしれないです。
9太郎 この「つまり、ぞっこんLOVE」のテーマは、「僕たちの枠を飛び出す」なんです。
TAKA そもそもグループのコンセプトが、そこなんです。CUBERSは「CUBE」の造語なので。この楽曲は、CUBERSの集大成の一つになるんじゃないかなと思います。
− CUBERSとして、今までたくさんの楽曲を発信されてきたと思います。メンバーの皆さんそれぞれ、一番思い入れのある 1曲 を選ぶとしたら、どの曲になりますか。
TAKA この間の「LAST SUMMER CUBERS」ツアーで、それぞれ日替わり曲を、メンバーが公演ごとに選ぶコーナーがあったんですけど、僕はその時、「26.5」を選びました。リリースした当時は、まだいろんな夢を見ていて、これからいろんな世界が広がっていくという状況で…。それを素直に歌っている曲なんですけど、逆に今の僕たちが歌うことで、乗る気持ちや聴こえ方が全然違ってて。「同じ曲なのにこんなにも変わるのか」と曲のすごさに気がついたんです。歌ってて、やっぱり胸がいっぱいになりましたし、良い曲に出会えていたんだな、というのを改めて実感できて、「26.5」は今の僕たちにとって刺さる楽曲です。
9太郎 僕は、「メジャーボーイ」です。メジャーデビューのタイミングで つんく♂ さんに書いていただいて、振り付けを 夏まゆみ 先生にしていただいて。「メジャーボーイ」がきっかけで、つんく♂さんや夏先生に出会えたことは、グループとしてかなり大きな出来事だったなと思います。
優 僕は、「Twilight」です。夏の歌なんですけど、歌詞やメロディを聴いていると今までのCUBERSを思い出すというか、エモくなる曲です。僕、自分の曲をカラオケで歌うことはないんですけど、「Twilight」が入っていたら絶対歌うだろうな、と思います。
春斗 僕は、デビューシングルの「SHY」です。ツアーでこの曲を披露したんですけど、「これから始まるぞ」みたいな歌詞だったりが、当時を思い出させてくれる曲です。
綾介 被るのは良くないんですけど、「メジャーボーイ」ですね。 被せてでも言いたい、このガチ感をわかってほしいです。メジャーデビューから本当に色々経験させてもらったんですけど、一番は、夏先生と出会えたことがターニングポイントになってるな、と。心に残ってることがたくさんあって、そうなるとやっぱり「メジャーボーイ」かな。
当時から変わらないのは「常に上を目指している」ということ
− CUBERSは、つば男プロジェクトにとっても、メンズグループをマネジメントするきっかけになったと思われます。また、CUBERSをきっかけに、「世が世なら!!!」「THE SUPER FRUIT」が所属する、つばさ男子プロダクションが設立されたと思います。
ご自身たちが築き上げてきたイズムやスタイルが、「つばさ男子」の後輩たちにも受け継がれていくと思います。そういった意味で、先輩としての誇りや最後まで後輩たちに伝えたい思いなどはありますか?
TAKA むしろ、先輩らしいことを全然してあげられなくて申し訳ないな、と思うことの方が多いです。情けないですけど、むしろ「託した」というか…。それぐらい、彼らはすごいポテンシャルを持ってる子たちだし、僕たちが何かをしてあげなくても、彼ら自身でどんどん進化していくと思うので、これからいろんなメディアで見れるのが楽しみです。
− 今年で、結成から8年ということですが、デビュー当時から現在まで様々な活動を通じて、仕事に対する姿勢や考え方に変化は生まれましたか。
綾介 僕は本当にクソガキだったので、色々社会を教えてもらいました。ベクトルを自分に向けることの大事さとかを知れたので、良かったなと思います。そのままサラリーマンにならなくて良かったです(笑) 芸能界は要領良くやる世界ではなく、本気でやってる人の集まりだから、他の事務所のアイドルさんの熱量や頑張っている姿を見て、打ちのめされる日々でした。この感覚は、この世界でしか感じられないことだと思うので、その機会を得た8年間でした。知れて良かったなと思います。
9太郎 細かいことはたくさん変わりましたけど、当時から変わらないのは「常に上を目指している」ということだと思います。数年前の自分からしてみたら、今の自分は なりたかった姿なんですけど、到達すると何も満足していなくて。「憧れにたどり着いたら、また上の憧れに」というのが続いています。
− 皆さんにとって、「CUBERS」はどのような存在であり、どのような時間だったのでしょうか。
春斗 解散が決まって今までを振り返った時に、「この8年間は意味があったのかな」って思っちゃったんですよ。でもライブでファンの皆さんの顔を見た時に、「やってよかったな」って思えた瞬間があって。特典会でも「元気になれます」とかの言葉をいただくたびに、8年間やってきて良かったなと思いますね。
9太郎 僕は21歳から始めたので、CUBERSが20代の全てです。CUBERSの一員として、仕事もプライベートもほとんどの時間をここに費やしてきました。
優 僕たちがお客さんにとって唯一無二の存在であれたら、それだけで8年間には価値があると思います。僕たちの活動が、誰か1人でも心に響いて、CUBERSを知ってくれて、曲を好きでいてくれたら、その人の中にCUBERSはあり続けるわけじゃないですか。それだけで全然最高です! 8年間活動した甲斐ありました。僕はファンの方にとってそういう存在でありたい、という気持ちが強いです。
TAKA 僕は、CUBERS解散とともに芸能界引退を決めたんです。 CUBERSがなくなって「このまま芸能を続けようかな」と一瞬考えたんですけど、全然やりたくなかったんですよね。そこで、自分が思っている以上にCUBERSが大事な存在だったんだなと気付かされました。
綾介 20代で、普通の人は経験しない、誰かの人生を変えるきっかけになる仕事をさせてもらって、丁度30歳という節目で次のステージに行きます。これからの30代40代50代…。働いたり生活していく中で、いろんな人の想いを背負ったこの8年間を、今後の人生の土台にしなきゃいけないし、自分が歳をとって振り返った時に、「あの時は本当に最高だった」と言えるような過ごし方を、これからしていかなきゃなと思わされるCUBERSの活動でした。
− 最後に、CUBERSのファンを含めたmy HEROをご覧になっている読者へメッセージをお願いします。
TAKA 改めて、僕たちは来年3月31日をもって解散となってしまうんですけれども、そこまでの期間でこのエンタメ業界における、いろんなことに挑戦していきたいなと思っています。熱量高く最後の最後まで活動していきますので、少しでも興味のある方はライブに足を運んでもらえればと思いますし、今ある貴重な時間をみなさんと共に過ごせたらなと思っていますので、どうか応援していただければ嬉しいです。
視聴者プレゼント(CUBERS メンバー直筆サイン入りチェキ 2名様)
【 応募方法 】
(1)my HERO 公式X(旧Twitter)をフォロー( @myHERO_official )
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※ 締め切りは、11月5日(日)23:59まで
※ 偽アカウントからの当選DMにはお気をつけ下さい。
※ 商品は指定できません。
『友情・努力・音楽!』をキャッチフレーズに活動する5人組ボーイズユニット、CUBERS(キューバーズ)
来年3/31を持って解散を発表してるCUBERSですが、最後まで上を目指して精力的に活動することを宣言。
CUBERSにとって最後のツアーとなる冬ツアー『LAST WINTER CUBERS "2015-2024”』が1月14日(日)の東京・恵比寿ガーデンホール公演を皮切りに名古屋、大阪にて開催することが決定!
さらに、12月31日(日)に、東京 SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて、CUBERSとして最初で最後となる年越しライブ『CUBERS カウントダウンライブ 2023→2024』の開催も決定。
本公演では、約70曲を超える彼らの持ち曲すべてを披露する予定。