2023
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05
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25
INTERVIEW
|
YouTuber
インフルエンサー
INTERVIEW

ばんばんざい「この三人でしかたどり着けない夢だから」

取材・文=綾 里枝

写真=ただ(ゆかい)

カップル?兄妹?それとも本当に、仲の良い友達……?最初にチャンネルを訪問する視聴者は、彼らの関係性をさまざまに憶測するはずだ。

ぎし(写真中央)、みゆ(写真左)、るな(写真右)の三人は、企画によって巧みに立ち位置を変容させ、観る者を惹きつけて離さない。

絶妙なバランスで成り立つ関係性は、一体どのようにして築かれたのか。

2022年5月12日発売「my HERO vol.03」より引用

【ばんばんざい】my HERO vol.03 ~ YouTuberの関係性 ~

数多ある男女混合YouTuberの中でも、男性一人、女性二人の構図は珍しい。北海道でYouTuberを目指していたぎし、ぎしに誘われて一緒に上京した地元友達のみゆ、そしてすでにインフルエンサーとして活躍していた、二人より3歳年下のるな。活動開始は2019年、出会って10分後に「ばんばんざい!」とグループ名を名乗るところからスタートした。2022年3月、登録者数200万人を達成した三人の、一見アンバランスにも見える関係性を探ってみたい。
クールな表情で遠くを見つめるメンバーのぎし
my HERO vol.03(ばんばんざい)

ぎしが「お前となら伸びる気がする」って。熱いな、と思いましたね。(みゆ)

──撮影中も休憩中も、動画の雰囲気そのままににぎやかでしたね。

みゆ お互い動画でもカメラが回ってない時も素で、もう家族みたいなんですよ。

るな ほんとの家族以上に毎日会ってるもんね。

──最初にチャンネルを観た人は、兄妹なの? それともこの中で付き合ってる? と、みなさんの関係性を不思議に思うのでは。

みゆ 確かに、動画によって「兄に~してみた」「彼女に~したら」みたいなタイトルで出してますからね。

ぎし でも特に設定を決めているわけではなくて、話して仲良くなっていくうちに「なんか、るなって妹っぽいよね」っていうノリで「妹」がついたりとか、僕とみゆでカップルの設定にしてドッキリ企画をやったりとかで。

みゆ 男女の混合グループなので対立してるんじゃ? と思う方もいるかもしれないですけど、私たちって性別の壁がないんです。男だから、女だから、というのが本当にない。

ぎし そう。この人とこの人が仲良い、みたいなのもなくて、何をするのも三人一緒って感じです。

──元々はぎしさんとみゆさんが地元の友達、るなさんはぎしさんと事務所が同じで、二人とは初対面だったとか。

るな 私は大阪から上京して、配信番組の出演やYouTubeチャンネルで活動してました。その頃に、事務所から「ぎしくんとみゆちゃんのチャンネルに参加しない?」って。

ぎし 僕は最初、同性だけでグループを作りたかったんですよ。でも地元の北海道で僕と同じようにTikTokで活動してたみゆと出会って、一緒にYouTubeやりたいって思ったんです。みゆは当時からノリがよくて、良い意味でぶっ飛んでたんで。

みゆ ぎしから誘ってもらった時、YouTuberになるなんて全然頭になかったからびっくりしました。

──専門学校を卒業する年で、就職も決まっていたそうですね。

みゆ うまくいくかどうか分からないし、ギリギリまで迷いました。でも、小さい頃からずっと目立つ仕事をしたい気持ちがあったんですよね。だからチャンスと捉えて、失敗してもいいから一回やってみようって、ぎしと東京に行くことを決めました。

ぎし 俺、けっこうノリノリで誘ったよね。

みゆ 「お前となら伸びる気がする」って言われた。熱いな、と思いましたね。

──それで、東京で三人が揃った。

るな 私はあんまりTikTok観てなかったから、最初は二人とも「誰?」って感じで。初めましてで、ちょっと話してすぐ動画撮る、みたいな。

──初めて会ったその日に1本目の動画を撮ったんですか?

ぎし たしか、あれは出会って15分で……。

みゆ 15分も経ってないよ、10分くらいで撮ったんです(笑)。

るな 二人が飛行機で東京に来て、その足で合流してね。本当は一緒に焼き肉を食べて、仲良くなってから動画撮ろうって話だったけど、それがなくなっちゃって。

ぎし そうなんですよ。誰だったかな、前日、飛行機に乗り遅れた人がいて。

みゆ いけるっしょって思ってたら、乗れなかったの(笑)。

ぎし まあ、でもこれは「札幌あるある」で、空港が遠すぎるっていうのと、雪で電車がしょっちゅう止まるんですよね。

るな それで撮った最初の動画(※1)、めっちゃ敬語やったよね。

ぎし うん。正直あの空間、マジ地獄だった(笑)。

みゆ お互い探り探りだったんだよね。これからどうなるのかなって思ったもん。

ぎし 今思えば、テンポ感もやばい。「ばーんばーんざーい」って。「るなちゃんはぁ」って(スローテンポで)。

るな 「……ぎしです(スローテンポで)」。

ぎし 「……みゆです(スローテンポで)」。

みゆ 大げさだな!

ぎし ちょっと誇張してるけど、ぎこちなさはこのレベルでした。

──何しろ、出会って10分ですもんね。そこからはすんなり仲良くなれましたか?

るな 最初は仲悪かったよね、ここが(ぎしと自分を指さして)。

ぎし るなとはずっとバチバチだったね。

るな 理由は分からないけど、お互いにとにかく嫌い、みたいな。動画でも言ってた。

間接照明に照らされるメンバーみゆ
my HERO vol.03(ばんばんざい)

「そんなこと考えてたんだ」って、やっとお互いの本音を知ったよね。(ぎし)

──今のような関係を築くきっかけがあったんでしょうか。

みゆ 一度チャンネルが停滞した時期があったんですよ。全然伸びないし、雰囲気もよくなくて。その時に初めて三人で話し合いらしい話し合いをしました。覚えてる?

るな めっちゃ覚えてるよ。グラウンドみたいなところにいて、その端っこで三人で体育座りしてさ。

ぎし カメラをいったん止めて、「俺ら、面白くなくない?」って。

るな そう、撮影中断するくらい、このままだと今後チャンネルが終わるよね、って顔見合わせて。

みゆ でも、そこで本音を話してからは動画自体の雰囲気も変わって、それで徐々に数字がついてくるようになったんです。

──その話し合いで、何が変わったと思いますか?

みゆ 三人が思いっきりぶつかることがなかったんですよね、それまで。それぞれがきちんと意見を吐き出したことで、いい方向に転換できたんじゃないかな。

ぎし 「そんなこと考えてたんだ」って、やっとお互いの本音を知ったよね。

るな 変わったよ、ここからほんとに。みゆちゃんがこの時、なかなか自分を出せなかったるなに「これから何かあったら私たちに全部教えて」と言ってくれて、やりやすくなりました。

──三人の関係が良くなったら、数字もついてきた。伸びる感覚はどのようにつかんでいったんですか?

みゆ いろんな企画を試してみて、最終的にドッキリに収まったよね。「ばんばんざいといえば“ドッキリ”」と言ってもらえるようになって。

ぎし あとは、“えちえち”ですね。ドッキリとちょっとエッチな要素を掛け合わせた企画でどんどん再生回数が伸びていったよね。

みゆ それから、ばんばんざいをたくさんの人に知ってもらえた一番のきっかけは沖縄(※2)だよね。

るな 最初の動画で10万人達成したら沖縄行こうって言ってたのに全然行けてなくて、結局、30万、40万人いった頃にやっと行けたんだよね。

──動画内では「投稿するか最後まで迷った」と話していましたね。

ぎし 迷いました。単なるビジネスカップルだと思ったら、本当に好きに……なんてケース、あんまりないじゃないですか。でも、ファンのみんなにもメンバーにも黙っていたくなかったから。リアルだったからこそ注目されたのかな。同接(同時接続数)もこれまで以上で、12万人くらいの人がライブ視聴してくれて。

みゆ 急上昇にも連続で載ったもんね。それがきっかけで、その後の動画もめちゃくちゃ伸びた。

るな 観てもらうきっかけとしては、最近だとShorts(YouTube Shorts)も多いかもね。

みゆ Shortsは長尺ではできないけどやってみたい、瞬発力のある企画を投稿してるんです。るなの、1000万回再生いってるShortsがあって。

ぎし 「パンツ見せて(※3)」ってやつ。

みゆ このShortsからるなを知った視聴者さんからは、「ばんばんざいの子」じゃなくて「パンツ見せての子」として認識されてるよね(笑)。

ぎし Shortsはだいたいるなが洗面所にいる時に僕がカメラ持って突撃するんで、巷ではるなが洗面所に住んでることになってます。

るな もう、みんなに言われるもん……。

──2021年夏の「夏休み1日3本投稿、お盆期間中5本投稿」でも注目を集めました。

ぎし 正直、大変でしたね。毎年、夏休みは気合入れて1日3、4本投稿してるんですけど、去年は100万人達成も夢じゃないってところまできていたので、より力が入りました。

みゆ 1日5本撮って編集してまた準備して……記憶にない(笑)。

るな 冗談じゃなくて、忙しすぎて一日の出来事を覚えてないとか、めっちゃあったよね。

ぎし るなが一番やばかった。「じゃあ、あと1本撮ろう」となった時とかに感情が爆発して、発狂してました。それが僕らの恒例行事になって、ちょっと面白かったりして。

みゆ 限界なのは分かるんだけどね。あれを聞くとなぜか「がんばれるわ~」って気持ちになる(笑)。

るな 限界がくると抑えられなくなっちゃうんですよ。去年の夏は動画中でもいきなり叫んでました。無人島(※4)もあったから余計にしんどかったんかな。でも、動画でファンのみんなにも言っちゃったからね。最後までやり切りたかった。

ぎし 無人島な。夏休みは投稿を増やすだけじゃなくて、大型企画もやるからハードだよね。

みゆ でも、無事に100万人達成できてさ。がんばったよね。

──期間限定とはいえ、YouTube全体を見ても驚異的な更新頻度。どうして毎年続けられるんでしょうか。

みゆ こうやって弱音は吐くけど、意外と私たち、キャパが大きいんです。自分たちの限界を知るためにも、毎日をイベントみたいにして、とにかくファンのみんなを楽しませたくてやってます。

ぎし できないと思うことも、結局できてきたのがばんばんざいだから。ただ、今年もみんなの期待に応えられるのかって不安もあるな~。

るな 乗り越えてきたからこそ、逆に怖くなるよね。自分たちもファンのみんなも「5本投稿もできるんだ」って期待するじゃん。

みゆ 今年の夏、どうなるか……。楽しみにしててください。年々レベルアップしてるんで、私たち。

──100万人達成後、あっという間に200万人に到達しました。何か変化はありましたか?

みゆ 変化、ないですね。るなと私はYouTube始めてから今まで、特に生活面でほとんど変わってないと思います(笑)。

ぎし たしかに、みゆとるなは全然変わってない。

るな なんやかんや普通だよね。

みゆ 100万人いったからちょっと高いお買い物しようかな、なんて気持ちも起きなくて、今に満足してる。でも、ぎしは常に変化してるよね。

ぎし 生活面でいえばそうかも、買い物も好きだし。僕が一番うれしい変化は、小学生の時から憧れていたYouTuberさんや「絶対に手が届かないだろうな」と思っていたグループとプライベートで仲良くさせてもらっていること! がんばってきてよかったと感じます。

るな 伸びなかった時期が長かったので、100万人達成した時は「やっといけたんや」と実感したんですけど、その時から比べて、200万人に向かうスピードが速すぎて……。変化を感じる余裕もなく、達成を迎える心の準備もできてなかったです。

──それほど、登録者数の増加ペースが加速していた要因は何だと思いますか?

みゆ やっぱり企画じゃないかな。トークがうまく回せなかったので、これまでエンタメ系企画は積極的にやってこなかったんです。でも、もう3年目で三人ともしゃべれるようになってきてるし、100万人達成してからはこれまでにない企画にいろいろ挑戦してます。例えば「脱衣企画(※5)」なんて、観てる人からしたら「何やってんだよ」って感じじゃないですか(笑)。でもやってみたら意外と面白くて、ファンのみんなからも好評でシリーズ化してる。

ぎし 「寝起き二郎(※6)」とかね。昔はこういう、それぞれが持ってきたオリジナル企画は伸びなかったんですよ。今は昔のばんばんざいとはちょっと違った雰囲気の企画も安定的に観られるようになりました。

──「伸びる企画」から「やりたい企画」へ。

るな 楽しいよね。これまでと変わらず、仲良し過ぎるくらい仲良くやってる。

ぎし でも、るなとは年々また仲が悪くなってきてる気がするんですよ。

るな え? 仲いいやん!

ぎし めっちゃけんかしてます。1日1回は口げんか。

みゆ それも醍醐味っていうか。

るな でも、それも仲いいからやん?

ぎし それはどうかなー……と、こんな感じで言い争ってます(笑)。

みゆ 兄妹げんかみたいな感じのささいな言い合い。どっちも本気になってて面白いので、動画でも今みたいなシーンはほぼ使ってますね。

ぎし 7割はジョークなんだけど、3割は本気でむかついてる感じが出ちゃうんだよね(笑)。

るな みゆちゃんが入ってくれるから、いい感じに丸くなってます。みゆちゃんいなかったら一生終わらんよね、多分(笑)。いつもサッと救ってくれる。

ぎし 俺らは自由にやってるからね。どんだけ崩しても、みゆが絶対立て直してくれるんで。

みゆ 二人の自由度がどんどん上がって、貫禄出てきちゃってるんですよ、私。

ぎし 仕上がってるよ、ツッコミ。ついでにみゆの良いところを挙げると、良い意味でも悪い意味でも純粋。ずるがしこさがなくて、楽しい時は心から楽しい顔して、良いことはなんでも吸収する。

るな うん、言葉にできないくらい素直。動画ではツッコミ役だから強い印象を持たれると思うんだけど、プライベートではるなにも相談してくれて、本当に素直です。

みゆ え、なに? うれしい。

ニット帽を被りこちらを見つめるメンバーのるな
my HERO vol.03(ばんばんざい)

るなは一度会ったら忘れられない、印象に残る人。(みゆ)

──その流れで、メンバー視点でのぎしさん、るなさんの魅力も知りたいです。

みゆ ぎしって、自分を一切作ってないんです。カメラの前でも「らしさ」をそのまま出せる自由人。私は決めたことを忠実にやりたいタイプだけど、それを崩してくれるのがぎし。どんな雰囲気もぎしの色に染めてくれる、グループに必要不可欠な存在かな。

ぎし 告白……?

みゆ ここ、沖縄? もしかしてカメラある……(笑)?

るな るなが思うのは、ぎしくんは先輩や友達との関わり方がすごい上手だなって。嫌われてるところを見たことがない。ぎしくんのコミュニティーからコラボを持ってきてくれることも多くて、他のYouTuberさんとるなたちを人脈でつないでくれます。

ぎし それって要するに、俺自身には魅力がないってこと?

るな あるよ、顔とか。

ぎし 嘘つけ、いつも顔見て笑ってんだろ!(笑) 次は、るなの魅力か。ちょっと5分ぐらい時間もらっていいですか?

みゆ いいから、そういうの。

ぎし るなはね、自分のよさを最大限出すのが得意。あざとい部分とかも含めて、自分の魅力をちゃんと分かってて、それを表現できる人だなと思う。

みゆ めっちゃ分かる。私が思う、るなの良いところ……一回、家帰って考えていいですか?

るな ねえ、なんで(笑)?

みゆ ごめん(笑)。るなは一度会ったら忘れられない、それくらい印象に残る人なんですよ。コラボしたYouTuberさんとプライベートで会う時も、必ずるなの話になって、みんなが「るなは天才だよね」って言う。多分、本当に天才なんです。お勉強ができる天才とかじゃなくて、人間性が天才だと思うな。

ぎし うん、勉強ができないってのも生かせてる。

みゆ あと、思いやりがありますね。スタッフさんに対しても、一番にお礼を言うのがるな。

ぎし それですぐ、みんなにアメ配るし。今日はまだ配らないの? アメ。

みゆ やめな。持ってきてなかったらどうすんの。

るな 今日、持ってきてない……(笑)。

インタビュー全編は本誌をご覧ください。

※1:「【自己紹介】ばんばんざい始動します!!!【グループ結成】」は初々しい三人の記念すべき初動画。

※2:「『俺、告白しようと思う』突然呼び出され、衝撃の発言!ビジネスカップルはどうなる?」から始まる3本立て。沖縄旅行でぎしがみゆに本気で告白する、大きな反響を呼んだシリーズ。

※3:正式タイトルは「19歳の妹にいきなり『パンツ見せて?』とお願いした結果...」。ぎしとるなの家族のような掛け合いが人気のShorts。

※4:「【地獄の始まり】2泊3日で無人島サバイバル生活がYouTube史上1番キツすぎました...」から始まる3本立て。三人と裏方メンバーのちーちゃんが無人島でのサバイバル生活を通じて絆を深める人気シリーズ。

※5:NGワードを使うたびに服を一枚脱ぎながら料理を完成させる、ばんばんざいの人気シリーズ。「【大事故】カタカナ言ったら即脱衣チャーハン作りでアホすぎるメンバーがとんでもない姿にwwwwwww」など。

※6:正式タイトルは「【爆食い】寝起き5秒で巨大二郎ラーメン早食い対決がキツすぎて大変なことになったwwwwww」。罰ゲーム回避のために、寝起きで二郎系ラーメンを早食いする動画。

笑顔の3人
my HERO vol.03(ばんばんざい)
PROFILE
ばんばんざい

クールに見えて熱いリーダーのぎし、姉御肌のみゆ、天然妹キャラのるなによる男女混合3人組。2019年3月、YouTubeチャンネルを開設。出会って10分で1本目の動画を撮影する。ドッキリ企画や独特の掛け合いが人気を集め、2021年8月にチャンネル登録者数100万人を突破。2021年12月にスタイルブック『僕たち、私たちを好きになるまで3秒』(KADOKAWA)を発売。

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