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今話題のBL漫画「同級生」シリーズとは?あらすじや魅力をご紹介!

ライター:さかもと はるか

「BL漫画と言えば?」と問われて、最初に思い浮かぶのが、「同級生シリーズ」という方は多いのではないでしょうか。同級生シリーズは、ファンから不朽の名作と言われ、同級生を読んでBLにハマったという方もいるでしょう。

今回は、まだ読んだことがない方に向けて、BL漫画「同級生」シリーズについて紹介します。本作品のあらすじや魅力について紹介しますので、ぜひご覧ください。

画像引用元:茜新社・OPERA編集部

同級生シリーズとは?

同級生シリーズとは、2006年7月から雑誌「OPERA」で連載が始まった漫画です。シリーズの1巻目となる単行本のタイトルが「同級生」であることから、シリーズを総称して「同級生シリーズ」と呼ばれています。

同級生シリーズは、2021年6月の時点でシリーズ累計販売数が150万部を突破。2016年には劇場版アニメも公開されました。劇場版アニメの声優は、草壁役を神谷浩史さん、佐条役を野島健児さんが担当し、2010年4月に発売されたドラマCDと同じ配役になっています。

同級生シリーズは、ファンの間では、「BL漫画の金字塔」と呼ばれています。高校生の等身大の恋愛模様を描いており、読者を引き込ませる魅力がたっぷり詰まった作品です。

同級生のあらすじ

高校二年生の夏、草壁 光(くさかべ ひかる)は、合唱祭前の音楽の授業中に、同級生のメガネの優等生・佐条 利人(さじょう りひと)が歌っていないことに気づきます。

草壁は「佐条は歌なんかくだらないと考えている」と思っていました。ある日の放課後、誰もいない教室で、1人で歌の練習をしている佐条を見つけます。ひたむきに練習している佐条を見て、草壁は思わず声をかけてしまいます。

佐条が陰で練習していることを知った草壁は、歌の練習を見ることを佐条に提案しました。戸惑いながら頷いた佐条の返事を受け、その日から合唱祭まで2人きりで歌の練習をするようになります。2人で過ごす時間が増えていくうちに、草壁は佐条にどんどん惹かれていき……。

同級生の第1話では、2人が自分たちの恋心に気づくまでを、草壁視点で丁寧に描かれています。

作者について

同級生シリーズの作者は、中村明日美子先生です。200年に「コーヒー砂糖いり恋する窓辺」で漫画家としてデビュー。以降、青春モノからBL漫画まで多彩な作品を手掛けています。

中村先生が描く作品は、線画がとても細かいのが大きな特徴です。人間の指先やメガネまで繊細なタッチで描かれています。また、中村先生の作品と言えば、ツリ目・三白眼のキャラクターです。ほとんどの作品に登場するキャラクターで、同級生でも佐条がこれに当てはまる登場人物と言えます。

中村先生は、同級生を描き始めたときに「まじめにゆっくり恋をしよう。」というテーマを決めたと、単行本のあとがきに記されています。これまでの中村先生のBL作品は、「Jの総て」や「ダブルミンツ」など、ダークで重い作風のモノがありました。しかし今作では、テーマ通りに、まじめにゆっくりと物語が進んでいき、爽やかさも感じられる作品となっています。

漫画「同級生」の魅力

BL漫画の不朽の名作と呼ばれる「同級生」には、さまざまな魅力があります。ここでは、同級生シリーズの魅力を2つご紹介します。

|恋愛モノの王道を描きリアリティがある

漫画「同級生」では、高校生たちの等身大の恋模様を描いています。草壁は、着崩した制服に金髪、タバコと、高校生のなかでは不良の部類として描かれています。

一方、佐条は、きっちりしめたネクタイに黒髪、メガネと、見るからに優等生と分かる風貌です。

対照的な2人が惹かれ合うというのは、恋愛モノでは王道と呼ばれる設定で、他の漫画やドラマで見たことがあるという人も多いでしょう。そのような王道な設定で、ゆっくりじっくりと関係を進めていく2人を描いていることが、この作品の魅力と言えます。

また、リアリティのある設定も同級生の魅力の1つです。BL漫画は、ファンタジー要素が強い作品も多く、読んでいてもどこか違う世界の話だと感じてしまいます。

しかし、同級生シリーズは、同性と付き合うことへの葛藤や、2人の関係に対しての家族や友人の反応までしっかりと描かれています。そのため、物語の説得力が増し、読者から共感を得られるようになったことで、10年以上愛される作品になったのではないでしょうか。

登場人物

同級生はストーリーだけでなく、登場人物も魅力の1つです。ここでは、本作品の魅力を引き出す主要人物を3人紹介します。

草壁 光(くさかべ ひかる)

本作品の主人公。東府第一高等学校の2年生。金髪に染めた天然パーマな頭にピアスが特徴的です。楽天的な性格をしており、学内の友人とライブ活動を行っています。佐条とは、高校2年のときに同じクラスになり、合唱祭の練習をきっかけに佐条を好きになります。

草壁は表情豊かで何事も受け流していそうな性格をしていますが、佐条に初恋のような感情を抱いており、佐条のことになると、周りが見えなくなるところが魅力です。佐条が好きというのを全身で表現する草壁を可愛いと感じる読者は多いのではないでしょうか。

佐条 理人(さじょう りひと)

本作品のもう1人の主人公。東府第一高等学校2年生。メガネをかけていて直毛の黒髪が特徴です。高校入試で全教科満点を取った秀才ですが、クラスに親しい友人は1人もいません。以前から同性愛者であることを自覚しており、1年生のときは原先生に惹かれていました。合唱祭の練習をするうちに、草壁に恋心を抱いていることを徐々に気づいていきます。

佐条は真面目で精神的に繊細な一面を持っています。草壁が好きという回数が多いので、流されているだけのように見える佐条ですが、実は佐条も不器用ながらに草壁に好意を向けています。真面目で不器用な佐条は、本作品のなかの魅力的な登場人物の1人と言えます。

原 学(はら まなぶ)

東府第一高等学校の音楽担当の男性教諭。カールがかった黒髪に、身長の高さが特徴です。高校1年生の入学式に、駅まで佐条を迎えにいったことで、佐条とは顔見知りになります。学生時代から同性愛者であり、佐条に惹かれていましたが、教師と生徒の関係に遠慮している間に草壁に取られる形となりました。

原先生は、同級生シリーズでは、2人の「かませ犬」のような役どころです。しかし、同級生シリーズのスピンオフ作品である「空と原」では、原先生の恋愛模様が描かれていますので気になる方はぜひチェックしてみてください。

シリーズ紹介

ここからは、2023年5月現在までで発売されている同級生シリーズの単行本を紹介します。

卒業生 -冬-
卒業生 -春-
漫画卒業生

どちらも同級生の続編となります。「卒業生-冬-」では、草壁と佐条の将来や進路について描かれています。「卒業生-春-」は、佐条の受験から2人の卒業式までの物語です。

空 と 原

同級生のスピンオフ作品です。本編では佐条と結ばれることがなかった原先生が主人公。東府第一高等学校に新入生として入学した空野との恋愛模様が描かれています。

漫画空と原

O.B. 1
O.B. 2

同級生のスピンオフ作品です。同級生シリーズに登場する人物たちのその後の姿を描いています。

漫画O.B

blanc #1
blanc #2

同級生の続編です。高校を卒業してから3年が経った草壁と佐条の関係性が描かれています。

漫画blanc

home

blancのその後を描く、オムニバス作品です。草壁と佐条が結婚して、2人で一緒に暮らし始めるまでが描かれています。

漫画home

まとめ

今回は、BL漫画の金字塔とも呼ばれる「同級生」シリーズについて紹介しました。

2006年に連載が始まってから現在まで、多くのファンに愛されている作品です。メインキャラクターである草壁と佐条にほかにも、さまざまなキャラクターたちの恋愛模様が描かれているのも、同級生シリーズの魅力と言えます。

シリーズ作品が多いため、何から買ったらいいか迷っている方は、「同級生」、「卒業生 -冬-」、「卒業生 -春-」から揃えてみることをおすすめします。

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