ライター:さかもと はるか
画像引用元:TVアニメ「推しの子」公式サイト
【推しの子】第1話のあらすじ
産婦人科医として田舎の病院で働く主人公ゴローは、人気アイドルグループ「B小町」のセンター・星野アイの大ファン。ある日、星野アイが体調不良のため活動停止することを知ったゴローのもとに患者として星野アイがあらわれます。なんと星野アイは妊娠していたのです。ショックを受けるゴローですが、「推し」のためにサポートを行い、出産に立ち会うことを決めます。
そして迎えた星野アイの出産予定日。星野アイに「また後で」と声をかけ、一度、帰宅するゴローでしたが、道中に何者かに襲われて命を落とします。……が、気が付くと、ゴローは星野アイに抱きかかえられていました。ゴローは、星野アイの息子として転生を果たしたのです。ここから、ゴローあらため、星野愛久愛海(ほしのあくあまりん)としての第2の人生がスタートします。
あらすじから分かるように、【推しの子】は、かつてファンだったゴローが、星野アイつまり『推し』の子供として転生する物語です。転生モノというファンタジー要素だけでなく、芸能界の裏事情やサスペンス要素なども盛り込まれています。
【推しの子】の原作漫画
アニメ【推しの子】は、週刊ヤングジャンプにて現在連載中の漫画が原作となっています。原作は、「かぐや様は告らせたい」の著者として知られる赤坂アカ先生。作画は、「クズの本懐」の著書である横槍メンゴ先生です。
連載当初から、個性的な作風が多い作者同士がタッグを組んだ作品ということで話題になりました。2人の作者の個性が反発し合うことなく、独特な世界観に次々と読者が引き込まれています。
2020年より週刊ヤングジャンプで連載がスタートし、1週遅れて少年ジャンプ+の方でも連載が始まりました。現在も連載中で、単行本は11巻まで発売されています。
2020年7月には単行本第1巻が発売され、2023年5月の時点で累計部数は700万部を突破。2021年に、みんなが選ぶ「TSUTAYAコミック大賞」3位、「次にくるマンガ大賞」コミックス部門で1位を獲得し、連載当初から注目を集めている作品です。
アニメ【推しの子】の魅力
アニメ【推しの子】には、世界中から注目を集める魅力がいくつかあります。今回は、アニメ【推しの子】の魅力を3つ紹介します。キャラクターなどを紹介するうえで、アニメのネタバレが含まれる部分もありますので、ご注意ください。
ジャンルはアイドル×転生×サスペンス!
あらすじでも少し紹介しましたが、【推しの子】は、転生モノの要素が含まれた作品です。
星野アイの大ファンかつ担当産婦人科医でもあったゴローは、星野アイの息子「星野愛久愛海」(以下、アクア)として登場します。星野アイは双子の子供を産んでおり、もう1人の子供の「星野瑠美衣」(以下、ルビー)も転生者であるということが第1話で分かります。
また、星野アイがアイドルという職業であることから、物語の主軸は、「アイドル」と思われるかもしれませんが、アイドルの話だけでは終わらないのが【推しの子】の魅力です。第1話の終盤に、星野アイは2人の子供の前でストーカーに殺されてしまいます。
アクアは、前世の自分を殺した犯人とアイを殺した犯人が同一人物で、アイの病院や自宅の住所をストーカーに教えた黒幕がいると考えます。黒幕はアイと近しい人間、つまりアクアとルビーの父親だと推察。アクアは、父親を探し出して復讐することを誓い、アイを殺した犯人を突き止めるために、芸能界に入ることになります。
芸能界の闇を描きながらもサスペンス要素もあり、見どころ満載なストーリーを楽しめる作品です。
クセのあるキャラクターたち
アニメ【推しの子】は、ストーリーも楽しめますが、クセのある登場人物も魅力の1つです。第1話で登場する魅力的な主要人物を4人紹介します。
芸能事務所「苺プロダクション」の「B小町」というアイドルグループ不動のセンター。整った見た目に、両目の星マークが特徴です。
アクアとルビーを16歳で出産し、出産後すぐにアイドルに復帰します。アイドル活動では、「天才」と評価され、自分の魅せ方を研究し、カリスマ性を発揮。子供がいることは、世間には発表せず、アクアとルビーは事務所社長の子供ということになっています。
子供の時に母親が窃盗で捕まり、釈放されたあとも迎えにこなかったため、施設育ち。自身の生い立ちから、賑やかな家庭に憧れがあり、忙しい仕事の合間でもアクアとルビーをとても可愛がっていました。
【推しの子】のメインキャラクターの1人。星野アイの息子として生まれましたが、アイの担当産婦人科医であったゴローの転生した姿でもあります。アイから遺伝して右目に星マークが入っているのが特徴です。前世の記憶が残っており、第1話では、「推し」の子供としての生活を満喫している様子が描かれています。
アイが殺されてからは、黒幕を突き止めるために芸能界に入ります。とても妹思いで、アイドルになるというルビーを「アイと同じ目には合わせない」と、さまざまな手を使って邪魔をします。妹のルビーが芸能科のある高校に進学することになったので、アクアもルビーと同じ学校の普通科に進学を決めます。
もう1人の【推しの子】のメインキャラクター。星野アイの娘として生まれ、左目に星マークが入っています。アクアと同様に、ルビーも転生者として前世の記憶を持っています。ルビーの前世は、天童寺さりなという少女で、アイを敬愛している少女でした。ゴローが勤めている病院で、闘病生活を送っていましたが、12歳のときに亡くなっています。
アイの最後の言葉を受けてアイドルを目指し、オーディションを受けていますが、アクアの思惑によって不合格になります。芸能科の高校を受験するためには、事務所に所属する必要があるため、苺プロダクションのアイドルとして契約します。
役者として活躍している少女。「10秒で泣ける天才子役」として自信を持っていましたが、アクアと共演した際にアクアの圧倒的な演技力「負けた」と言って悔しがり、アクアを意識していました。ルビーには初対面で「好きじゃない」や「重曹を舐める天才子役」と言われたことでよい印象は持っていません。
アニメ第2話でアクアと高校で再会。役者の道を諦めかけていたアクアに戻るきっかけを作った人物。【推しの子】のファンからは「重曹ちゃん」という愛称で親しまれています。
世界観にぴったりな主題歌
【推しの子】といえば、アニメだけでなく、アニメに使用される主題歌も話題になりました。オープニング主題歌であるYOASOBIの「アイドル」は、YouTubeで、アニメ【推しの子】とコラボしたMVが投稿され、注目を集めています。【推しの子】より、「アイドル」という曲を先に知ったという方も多いのではないでしょうか?
ここでは、世界観にぴったりなオープニング主題歌とエンディング主題歌について紹介します。
オープニング主題歌を担当するのは、コンポーザーAyaseとボーカルIkuraの2人組音楽ユニットYOASOBIです。
【推しの子】のオープニング主題歌「アイドル」は、アニメ第1話放映日である2023年4月12日にYouTubeで公開。公開5週目にして再生数1億回を突破し、5月17日に発表された「オリコン週間ストリーミングランキング」で1位を獲得しました。曲調はアップテンポで、アイドルの曲と呼ぶのにぴったりです。しかし、テンションが上がるような曲調のなかに、星野アイの寂しさや葛藤なども盛り込まれており、アニメ【推しの子】の世界観を表現した楽曲と言えます。
「アイドル」は、【推しの子】の作者である赤坂サカ先生が、楽曲のために書き下ろした小説をもとに制作されました。書き下ろした小説は、【推しの子】原作公式サイトにて、期間限定で公開されています。楽曲を聞いて気になった方は、チェックしてみてください。
引用元:Ayase / YOASABI♪ 公式YouTube
エンディング主題歌を担当するのは、4人組のロックバンドの女王蜂です。
【推しの子】のエンディング主題歌である「メフィスト」は、アニメ第2話で初めてオンエアされました。「メフィスト」は5月17日にリリースされるCDの表題曲です。
2023年4月19日にYouTubeの「TVアニメ【推しの子】公式チャンネル」で、ノンクレジットエンディング映像が公開されました。
オープニングの「アイドル」が星野アイの感情を表現しているのに対して、エンディングの「メフィスト」は星野アクアの自己犠牲の精神がよくあらわれています。アクアの強さと切なさを感じられる【推しの子】の物語にぴったりな楽曲です。
今回は2023年4月から放送開始されたアニメ【推しの子】について紹介しました。
【推しの子】は、ただのアイドルモノではなく、転生者がいたり、殺人事件の犯人を捜したりと、転生とサスペンスの要素も含まれた見ごたえのある作品です。
現段階でも魅力たっぷりのアニメですが、まだまだ放送を続いていくので、今後の展開がとても楽しみですね。本記事を見て気になった方は、ぜひチェックしてみてください。